「民泊サービス」の行方が少しづつ見えてきた(?)
第9回『民泊サービス』のあり方に関する検討会(資料2)、民泊サービスの制度設計を見る限り、概要が固まりつつある印象を受けるが、肝心なところが良く分からない。
例えば、安全確保等を前提に、「一定の要件」を満たす「民泊サービス」については、例えば、許可ではなく、届出とすること等を検討 とある。
”一定の要件や ”許可or届出” よりも、「どのように安全確保を行うか?」 の方が、重要である。
地震、大雨や台風、火事、病気、犯罪等、最近の日本では、「安全確保」がより重要であり難しい。紙ベースで、安全確保方針なるもを提出したところでその通りに行動できるとは限らない。「安全確保」については軽視されている印象を受ける。
「一定の要件」についても、「これまでの検討会における主な意見」が述べられているが、個人的には賛否ある。※太字はこれまでの主な意見、「→」以降は個人的意見である。
(営業日数)
*年間営業日数(30日以内)の制限を設けるべき
→ (私の意見)年間30日程度では、事業として成り立たない。
*住宅ストックの有効活用を国策と捉え、提供日数に制限を求めるべきでない
→ (私の意見)賛成である
(宿泊人数)
*一日あたりの宿泊人数(4人以内)の制限を設けるべき
→ (私の意見)共同住宅利用の利点は、家族が一つ屋根の下で宿泊することが出来ることだろう。ファミリー(5人以上)が同室での宿泊を希望するなら、旅館や民宿が考えられるが言葉の問題もある。英語対応可の民宿はどのくらいあるのだろう?
ホテルにもコネクティングルームはあるが、このタイプの客室数は少ない。そこで、日本の古民家など一軒家に宿泊できれば、コスト面でも、宿泊体験でも、格別の思い出が出来る。
※コネクティングルームとは、客室内に扉が付いていて、廊下に出なくても隣の部屋と行き来ができるタイプの部屋
(その他)
*「一定の要件」の設定に当たり、マンションの一棟貸しやその大半を民泊として使用するような形態の民泊は、既存のホテル・旅館営業と何ら変わることはないため排除すべきである。また複数物件を取り扱う事は認めるめきではない。
→ (私の意見)マンションで民泊をする場合、一棟貸しにしないと採算も取れないだろうし、当然に近隣住民トラブルに発展する。
オーストラリア(ゴールドコーストコースト)で、友達が住んでいた建物は、一棟の建物だけど、半分(右側)はホテルタイプで短期滞在者用、半分(左側)はコンドミニアムタイプで長期滞在者用であった。
友達はコンドミニアムに1年住んでいた。日本ではコンドミニアムはあまり馴染みが無いが、海外ではコンドミニアムを居住地としている人も少くない。
日本も定期借家等の共同住宅を1日~最大2年間まで(旅館業法に基づく営業許可取得が前提だが)、事業主の判断で、「共同住宅」でも「コンドミニアム」でも需要によって営業形態を自由に選択できるとしたらどうだろうか? ホテルと共同住宅の中間的建物。ちなみに、ゴールドコーストのホテル+コンドミニアムのフロントは、ホテル用(短期滞在者)とコンドミニアム用(長期滞在者用)で分かれてた。
政府が率先して「民泊」を推し進めるならUR物件から始めてみては?
*面積規模等が一定以下のものに対象を限定すべき
→ (私の意見)その必要はあるのか?
*マンションについては、管理組合や大家の承認を得ていることを要件とすべき
→ (私の意見)要件としたところで、お得意の”ずさんな管理” を露呈するに違いないが無いよりはマシか。
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宿泊施設の種類と概要を整理すると、
- シティホテル:客室やレストランの他に、大宴会場や美容院、お花屋などの施設を備え、客室はツインルームが中心。有名高級ホテルと称するホテルがこのタイプ。
- ビジネスホテル:出張などのビジネスマンを対象に、小型で安価で泊まれる。客室はシングルが中心
- リゾートホテル:観光客をターゲットにディズニーランドなどリゾート地に立地する
- デザイナーズホテル:外装や内装にデザイン性を求め工夫された造りが特徴である。
- カプセルホテル:個室ではなく、大部屋に複数人が泊まる。簡易宿所の営業許可で運営されている
- 旅館:高級旅館、温泉旅館、割烹旅館(料理旅館)など。朝食と夕食が付いた一泊二食の形態が多く、大浴場があるのも特徴である
- 民宿:農家や漁業者が民家の一室を、スキー客や海水浴客等の旅行者に提供するため、海や山にも多く見かける。多くは簡易宿所の営業許可で運営されている
そして、民泊の位置づけは?
個人的には、「体験型宿泊施設」だと思う。ホテルや旅館とは別モノとして考える方がわかり易い。
私も3軒のお宅にホームステイした経験がある。ホストファミリーも色々で、交流を求めているファミリーもいれば、副業と割り切ってビジネスライクで接してくる家族も多い。
マンションなど投資目的の物件は、コンドミニアムとして、旅館業法の簡易宿所営業を取得するべきであり、旅館業法の営業許可に求める消防法も建築基準法も、都市計画法もクリアする必要がある。それだけリスクを伴う施設となりうるという事だ。
そして、私が思う民泊(体験型宿泊施設)は、古民家(家主不在・居住)やホームティ型民泊(家主居住)。
家主居住タイプであれば、責任者は「食品衛生責任者」の講習を受講し、責任者として、当然登録すべきであろう。民泊サービスは、ビジネスであり、趣味の延長ではない。違法民泊を続ける人達の中には、公私混同による「民泊疲れ」もすでに起こっているという。